親から相続した実家。
「そろそろ売ろう」と思ったとき、何から始めればいいのか?
どうすればスムーズに売却できるのか?
私が不動産会社に入社して間もない頃、
相続不動産売却のサポートに初めて携わったときに、
まさにその「落とし穴」にハマった経験があります。
空き家になった実家の売却は、
相続登記、残置物、老朽化、地域独自の規制…。
想像以上に複雑な問題に直面することが珍しくありません。
けれど、適切な準備と一歩ずつの対応で、
どんな困難も乗り越えられることもまた、私は学びました。
この記事では、そんな私自身のリアルな体験談をもとに、
「相続不動産を円滑に売却するためのポイント」を解説します。
あなたのご参考になれば幸いです。
「実家を売りたいけれど、何から始めれば…」
ご相談を受けたのは、まだ私が新人の頃でした。
県外にお住まいのAさんから、
「相続した実家を売りたいが、何もわからない」とお電話をいただきました。
築50年以上、広い庭付きの立派な日本家屋。
しかし数年間放置されていたため、
「鍵の場所すらわからない」という状態でした。
まずは外観や周辺環境から机上査定を行い、
できるだけ具体的なご提案をすることに。
現地確認ができればさらに正確な査定ができるため、
鍵を探していただくところからスタートしました。
想像を超えた、現地の現実
数日後、鍵が見つかり、私は実家へ向かいました。
そして目にしたのは、
想像以上に荒れ果てた古家でした。
外壁の傾き、剥がれた土壁、
崩れ落ちた瓦屋根、草木に埋もれた庭…。
時間の流れがそのまま風景になったかのような姿でした。
さらに内部は、
生活用品が積み上がったまるでゴミ屋敷状態。
仏壇、神棚、祠、そして古びた井戸まで存在しており、
簡単に処分できないものも多くありました。
近隣の方からは
「不審者を見かけた」「心配している」という声も聞かれ、
防犯面での不安も募りました。
売却へ向けて、選んだ道
Aさんと話し合った結果、
「費用をできるだけ抑えて、現状のまま売却する」方針に。
媒介契約は遠方対応で電話と郵送にて進め、
すぐに売却活動をスタート。
すると、
アパート用地を探していた建築会社から、
思いがけないほど早く購入希望の連絡が入りました。
「こんなに早く買い手が見つかるなんて!」
Aさんの喜びの声に、私も胸が熱くなりました。
しかし——。
次々と立ちはだかる壁
役所調査の結果、
この土地が「景観条例」の対象エリアであることが発覚。
建物の配置や外観に厳しい制限がかかるため、
買主である建築会社は計画を大幅に見直す必要が出ました。
さらに、
– 室内に大量の残置物
– 仏壇・神棚・祠・井戸の存在
– 相続登記が未了
といった問題も次々と明らかに。
Aさんも「相続は終わっている」と思われていましたが、
実は登記が済んでいなかったのです。
問題解決への道のり
私はすぐに状況を整理し、
Aさんと買主様へ冷静に説明しました。
対応策としては、
– 【残置物処理】専門業者に依頼(約50万円)
– 【仏壇・祠・井戸】地元の寺社で供養とお祓い
– 【相続登記】司法書士に依頼し、売買決済と同時に手続き
こうして一つひとつ問題を解決しながら、
買主様も景観条例に適合した新たな建築プランを作成。
結果、当初より3ヶ月遅れましたが、
無事に契約・決済を完了できました。
Aさんは遠方からお越しになり、
「思い出深い家だけど、新しい形に生まれ変わるのがうれしい」と
涙ぐみながら仰っていました。
私も、胸いっぱいになった瞬間でした。
相続不動産売却から学んだ教訓
この経験を通して学んだのは、
相続物件売却において以下が特に重要だということです。
✅ 登記簿謄本の確認(相続登記や抵当権の確認)
✅ 早い段階での建物内部確認(残置物・老朽化リスク把握)
✅ 地域特有の法規制チェック(景観条例など)
✅ 境界の確認(隣地トラブル予防)
✅ インフラ状況把握(引き込み工事費用の予測)
どれも、「あとから気づいた」では遅いことばかり。
事前の徹底調査が成功のカギだと、改めて実感しました。
長野市の相続不動産売却なら「中部エース」へ
相続不動産には、
普通の不動産売却とは違う難しさがあります。
だからこそ、
私たち中部エースでは「聞くこと」を最も大切にしています。
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